結局、2025年のクマ騒動とは何だったのか?

哺乳類
この記事は約6分で読めます。
スポンサーリンク

2025年はクマによる被害が大きな騒動となり、今年の漢字にも『熊』が選ばれるほどで、私もいくつかのクマ被害に関する記事を投稿しました。
そんな2025年のクマ騒動が何だったのかを、ここで検証していきたいと思います。

そもそも本当にクマによる人的被害は増えたのか?

まだ2025年度のクマによる被害数は11月分までしか出ていませんが、クマは冬眠するため、冬の人的被害は例年ほとんどないので、このデータをそのまま2025年度の被害数として考えてみます。(年末年始の影響か、2026年1月9日まで待っても2025年12月分のデータが公表されませんでした)
そうすると、2025年度のクマ被害は、件数209件、被害者数230人、死者数13人でした。
この内、ヒグマによる被害は件数5件、被害者数6人、死者2人と、被害件数自体が少ないので、以下では、ツキノワグマの被害に限定して話を進めます。

ツキノワグマによる被害は、被害件数、死者数、共に過去最多を記録しています。
この被害数を精査するため、被害件数が今まで最多だった2023年度と比較してみましょう。

  2023年度 2025年度
被害件数 192 204
被害人数 210 224
死者数 4 11

今年度のツキノワグマの被害件数は過去最多となっていますが、2023年と比べて微増程度にとどまっています。
続いて、騒ぎの中心だった東北地方に限定して、被害件数(カッコ内は被害人数)を比較してみます。

県名 2023年度 2025年度
青森 10(11) 10(10)
岩手 46(49) 36(37)
宮城 3(3) 5(5)
秋田 62(70) 58(66)
山形 5(5) 12(12)
福島 15(15) 21(24)
合計 141(153) 142(154)

こちらも微増程度で、自衛隊にクマ対策の派遣要請をした秋田県では、2025年度の被害数が2023年度より少し減っています。(2025年12月分のデータを加えれば、秋田県の被害数は増加に転じる可能性がある)
このように、2025年度のツキノワグマの被害が、2023年度と比べ爆発的に増えた事実はありません。

2026年1月22日、2025年12月分のクマ被害データが公表されました。
全国の被害件数は5件、被害人数は6人(全てツキノワグマによる)で、岩手県と秋田県で件数1件・人数1人ずつの被害があったようです。

にも関わらず、なぜ、2025年は異常なほどクマの問題が大騒ぎになったのでしょうか?
それは死者数が大きく増えたからと思われます。
2023年は4人だったツキノワグマによる死者数が、2025年度は11人と一気に倍以上になっているのです。
しかし、これには数字的な問題があり、発生数が少ないために起こった急増と考えられます。

このことを、サイコロを使って説明していきます。

Web Dice
ブラウザ上の仮想のサイコロを振れる無料のサイトです。

上記のサイトを使い、サイコロを一気に30回振ってみました。
サイコロは6面なので、各面が平均して5回ずつ出るはずですが、実際に出た結果は以下の通りです。

1:1回
2:8回
3:5回
4:5回
5:5回
6:6回

出目の出現率は同じなのに、実際に出た目には1と2で8倍もの差が発生しました。
ちなみに、これは何百回もやり直したわけではなく、9回目に出た結果です。
つまり、クマの危険度(出目の出現率に相当)に一切の変化がなくとも、死者数が10倍ぐらいになることは普通にあり得るのです。
これは、単純にサンプル数が少ないことが原因で、サイコロも300回振れば、ここまでの差は出ず、3000回振れば、ほとんど出目の出現率に差はなくなります。

つまるところ、クマの被害で亡くなることは非常に稀であり、それは、クマの危険度(遭遇率なども含め)が低いこととイコールです。
2025年になってツキノワグマが突然凶暴になったわけでも、強さが増したわけでもなく、被害の少なかった2024年度のツキノワグマも被害の多かった2025年度のツキノワグマも、危険度は変わりなく低いままなのです。
当然、クマに襲われたら危険で、ヒグマの場合は高確率で死亡し、助かっても重症となりますが、クマと遭遇することがそもそも稀であり、襲われることも稀という話です。
これは飛行機(旅客機)の墜落と同じことで、事故が起これば大きな被害が出ますが、起きる確率が低いのでトータル的には安全であるということになります。
そういった意味で2025年のクマ騒動は、初めて旅客機が墜落する事故を経験した人々が、旅客機は危険だと大騒ぎしているようなものだったのかもしれません。

クマの出没数増加に対する過剰報道の影響

クマによる人的被害が、そこまで増えていないという意見に対し、ツキノワグマの出没自体が大きく増えていると主張する人もいるかと思います。
しかし、これにはクマに対する過剰な報道が影響している可能性があります。

昨年秋の、クマに関する過剰な報道については、もはや説明するまでもないでしょう。
こういった報道の影響で、今までなら通報しなかったようなクマの目撃まで、目撃報告として集計されている可能性があります。
1個体に対して何人もの人が報告をしたり、クマに対して過敏になったことによる勘違いの報告や、イタズラ的な報告が出没数に含まれているかもしれません。
いずれにせよ、クマの出没数に関しては都道府県ごとに集計方法が異なるため、何をもって出没数としているのかは不明確となっています。
ただ、2023年度と比べ人的被害の件数に大きな差がないので、2025年度の出没数も、そこまで大きく増えていないのではないかと思います。

クマの出没・被害が増えた要因

2025年度のツキノワグマの出没が増えているか増えていないかと問われれば、被害件数も捕獲数も過去最多を更新しているわけですから、増えていること自体は間違いありません。
その要因についても考えていきたいと思います。

まず1番の要因は、クマの食料となるブナ類の実(ドングリ)が凶作だったことで、これは何十年も前から言われているクマ被害の特徴です。
特に、豊作の翌年に凶作になると、豊作の年に子育てが順調に進みクマの数が増え、その翌年に凶作になると食料が足りなくなって人里に姿を表すという結果を招きます。
それ以外に、農村部の過疎化が進み休耕地や空き家が増えたこと、あるいは高齢化が進んで手入れが疎かになったことで、クマが食料のある人里に侵入しやすくなった可能性なども考えられます。
また高齢化という問題は、襲撃された際の死亡率上昇という問題を招いているのかもしれません。
このように、いろいろな問題が考えられますが、実際に2025年度のクマ被害が増えた理由の9割以上は、ドングリの凶作と豊作の関係で説明がつくはずです。

2025年のクマ騒動とは、何だったのか?

以上のことを踏まえて、昨年起こったクマ騒動の流れをまとめてみます。

1、ドングリが2024年の豊作後に2025年は凶作となり、クマが人里に現れるケースが増えた
2、たまたま、2025年はクマの被害で亡くなる人が多かった
3、マスコミが例年以上にクマ被害の報道を行う
4、これらの報道に影響されてクマの目撃報告が増え、出没情報として過剰に報告された
5、マスコミがクマの被害が急増していると、一部事実に伴わない過剰な報道を行う
6、SNSなどでクマに対する誤情報が飛び交う
7、様々なメディアが、クマに関する便乗報道を行う

おそらくは、こういった流れかと思います。
もし、クマによる死者数が2025年も増えていなかったら、2023年と同程度の報道にとどまり、大きな騒動に発展せずに、ほとんどの人はクマの出没が増えたことも気付かないまま2026年を迎えた可能性が高かったと思います。
そう考えると、2025年のクマ騒動は、クマ側の問題よりも人間側の問題だったと言えるのかもしれません。

スポンサーリンク

動物クイズ

最も大きいハイエナは?
明治時代初期の日本で起きた動物ブームと言えば?
哺乳類クイズ サンプル
You got {{userScore}} out of {{maxScore}} correct
{{title}}
{{image}}
{{content}}
動物クイズ目次
当サイトにある動物に関するクイズの一覧です。自分の好み・レベルにあった問題を選んで、是非チャレンジしてください!!哺乳類鳥類爬虫類両生類魚類昆虫・虫総合キッズキッズキッズキッズキッズ-レベル1レベル1---レベル1レベル2レベル2レベル2準...

動物前世診断

以下、動物前世診断のサンプル版です。
Q1
生活するなら・・・

動物アンケート

あなたの好きな哺乳類は?
  • 答えを追加する
スポンサーリンク

『哺乳類』に関する最新記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました